大国ティカルと争うドス・ピラス国の王女「6の空」は
戦争上の地理的に重要な国ナランホに嫁ぐことになる。
ドス・ピラスを庇護する大国カラクムルの思惑などから
「6の空」の運命が翻弄されていく。
マヤ文明の国々を舞台に繰り広げられる実在した
女王「6の空」の一大叙事詩。
*絵を描いてくれた未羅さんのHPはリンクコーナーにあります。
この話は以前に書いた「6の空の女王」を大幅に加筆・修正した話です。
話の流れはほぼ同じですが、6の空の家族やナランホでの戦争場面など
以前には入れられなかったものを入れています。家族などで名前が判明
しているものは学術名ではなく、本来の名前の読みで出ています。日本では
聞きなれない名前なのでわかりにくくなる恐れもありましたが、やはり
どうせならそのまま使いたいな、と思っていたので。わかりにくい名前
をフォローするために、登場人物一覧もつけたりしました。国の簡単な
位置関係の地図もつけています。説明文がちょっと見がたくなってしま
ったかもしれず、そこは反省点かもしれない。
6の空は学術上の名前で正式な名前はわかっていません。以前書いた時
は、わかりにくい名前を使わず学術名使えば違和感ないんじゃないか?
と思ってたのでちょうどいいかなと。今回は家族も前面に出していきた
かったので名前を決める上でちょっと迷ったりしました。全部学術名に
してしまう方法もあったのですが、わかっているものはそのままの
名前を使おうと。6の空は相変わらず不明のままでそのままなので
学術名と本来の読み方の名前がごちゃまぜとなっています。
余計わかりにくくなるかもと思いましたが、最初の人物説明ページで
フォローは出来たのではないかと思います。聞きなれない文明の名前
なんでどうするのが正解なのかはいまだわかりません。まぁ今回は
こういう形で正解だったのではないかと思います。
書きなおす上で色々とマヤ文明関係の本を読んだのですが、読めば
読むほど足りない感じがする気分でした。それ専門に研究してるわけ
でもないのでわからない部分もいまだ多いです。不思議でミステリアス
な文明というイメージが、実は作られたものである、というのは今回
本読んでわかったかもしれません。今映画の宣伝で2012というのが
ありますが、ああいうなんだかわからないけど予言やらなんやらで
すごい文明、というイメージはいまだ続いているのかもしれません。
そういうイメージがあると、マヤ文明も世界の歴史と同じく戦国の
時代があって、家族間の血筋が重要だったり、政略結婚があったり
というのは驚きになるのかもしれません。一方で予言などでミステ
リアス、またイケニエなどで野蛮。でも当時暮らしていた人達は
世界の文明などでも同じような事があり、泣いたり笑ったりや
ロマンスなんかも当然あったのだと思います。
ミステリアスな予言や野蛮なイケニエなどは目を引くので
マヤを舞台にする場合はどうしてもこういうものに偏りがちに
なるんではないかと。当時の暮らしを舞台にしたロマンスものが
あってもいいんじゃないかというのがこのお話です。
資料を集めるうえでは、意外と日本語テキストが少ないというのが
悩みでありました。本場のテキストはスペイン語と英語らしいのですが
日本語訳にして出してくれているのは少数なようです。それ専門に
研究している人はスペイン語や英語を習得しているのが当たり前
なのかもしれない。私は日本語しか読めないのでそういう翻訳した
ものが多くでてくれることを期待するしかないかもしれません。
このお話の題材として使ったのは「古代マヤ王歴代誌」という本
です。マヤ地域の石碑などから当時の国々の力関係や戦争の歴史
などをまとめた本で、さながら日本の戦国ものを読んでるような
気分にもなってきます。「6の空」以外にも多数の王や国も
あるので別の物語にもいつかチャレンジしようかと思います。