竜退治の名門フンバルト家の一員であるモレル。
モレルは身を隠すように小さな村でひっそりと暮らしていた。
息子の名前はベンデル。モレルはベンデルが幼い頃よりその竜退治の技
を息子へと伝えていたのだった。
しかしモレルは病気となりその命を落とす。息子ベンデルはたまたま
村に立ち寄っていた、母と同じ名前を持つヤーダ・モレルと出会い
旅立つことを決意する。果たしてこの冒険には何があるのだろうか。
前作のとりかえばやがコミティア101で、そのすぐ後に文学フリマが
ありました。とりあえずコミティアで出したものがあればいいかなーとも
思ってたのですが。相方の秋月さんが頑張って作ってると話を聞いて
それなら私もと奮起して作ったお話です。ファンタジーというカテゴリーで
文学フリマに登録したので私も何かファンタジーの話を作ろう、という
ところから考えてました。
王道の話と言うとやはり竜、ドラゴンではないか。そして王道の話は
以前創作民話の妖精話の中でもちょっとやってたので変わり種の方が
いいかな。
話の題材として多く取り上げられるものに「生命賛歌」というものが
あります。命とは何か?というのは哲学的でもあり普遍的な題材でも
あると思います。命について考えた時、食う、寝る、住むなど根本的
なもの、いわゆる衣食住がありますが。食うということは大きく
とりあげられるが、食ったあとに出すというのはあまり語られる
ことがありません。というわけで思い切ってこれを題材にしよう!
と思ったのでした。「うん、この物語」で変な区切りだなと感づいた
人もいると思いますが、要するに食った後に出すアレの話となってます。
アレそのものだと題材としても生々しすぎるのでドラゴンのアレ、
ということにしています。この世界のドラゴンのアレは貴重品で
あり、それを求めるハンターがヤーダ・モレル。それと知らずに
付き合った(巻き込まれた?)のが主人公のフンバルト・ベンデルです。
名前はドイツ語っぽいネタの名前としてネット上でたまに見られる
もので、たまにドイツ語の先生も持ちネタとして披露する場合も
あるそうです。ちなみにドイツ語はさっぱりです。
ファンタジーの醍醐味としてその世界観を作り上げていくことが
あると思います。今回のこの話は急ごしらえでまだまだ不足が
ありますが、地図と家系図もちょこちょこと作ってみました。
家系図は作ると不思議と人間関係のようなものが想像できて
これはこれで面白いものだなと思ったりしました。本家筋から
もれた分家筋がフンバルト・モレル(大)で何かの確執がある、
みたいな。今回の話は竜のアレ求めて旅立つまでなので
そういうものは出せませんでした。
思いついたのが遅かったのでもう文学フリマには間に合わない
だろうと思ってたのですが。当日出来上がって当日に仕上げて
持っていけました。別に無理に作る必要はなかったのですが。
表紙その他諸々はあまり考えられなかったので手にとって
もらうことも中々できませんでしたが、とりあえず完成した
という達成感は得られたのでヨシとしときます。
話の続きを書くにしても、もう少し世界観を作っていくほうが
いいかな。昔流行ったTRPG(テーブルトークと呼ばれるゲーム)
やファンタジー小説などを話のネタにして相方の秋月さんと
話などをしたのですが、そういう世界を作ったり考えたり
するのは、今でも十分に面白いものだと思います。