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「どういう事、それは?」
「ですから生きてるように鼓動しているし体温もありますが呼吸はしていません、所長」
「生きてるって何百年も封印されてた遺跡から発見されたんでしょ?生きてる訳がない」
「ええ、でも、そのなんて言うか・・・生きてるというより眠っているような・・・」
「で、遺跡の隠された部屋で見つかったのはその謎の生き物とこの石だけなのね」
「はい。何も入ってない棺らしきものの前にそれらが見つかっただけです」
妙な話ね・・・
イシュ研究所。ここでは遺跡より発掘された副葬品を研究のため鑑定や保管をして
いる場所。だが今度見つかった物はあきらかに他の副葬品とは異なっていた。
まず、わざわざ巧妙に隠された部屋に棺まで用意しているのに葬られた者がいないこと。
これはなんらかの理由で必要無くなった事も考えられるが、それよりも謎なのが
その生き物みたいなものだ。他の研究員達も検討がついてないようだ。この石も
今までに見たことがない・・・。
「所長の娘さんですか?」
「え、ああ、今日は下にあずけられなくてね。仕方なく連れて来たのよ」
「こんにちは、お嬢ちゃん」
人見知りの激しい娘はさっと私の後ろに隠れる。
「あはは、やっぱお母さんに甘えたい年頃なんですね」
「いい?今日は大人しくしてるのよ。ママお仕事なんだから」
裾を掴んだまま、娘はこくりとうなずいた。